まずはじめに。
この話は重い話です。
それを知らなかった私は
非常に苦しかったです。
主人公の悲しみは
海のように語られ、
私の気持ちも
まるで深海に沈むかのように
落ちていきました。
イサベルコイシェという監督の作品。
「死ぬまでにしたい１０のこと」の監督です。
「死ぬまでに〜」は、
主人公の暮らすトレーラーがかわいかったり、
主人公が死期が近い事を知り、
近所のカフェで死ぬまでにすることを
書くシーンが好きでした。
そんな映画かなーと思っていたのですが。
まったく逆でした。
「死ぬまでに〜」が
「死ぬ事への生」
この「あなたになら〜」は
「生きる事への死」
物語は驚くほど静かで、
淡々とすぎていく。
舞台は事故が起こった油田。
海の上に作られた施設。
事故で大やけどを負った男。
男を看病する女。
女は心に深い闇を抱えている。
舞台の海が男や女の闇やうねりを
うまく表現していて、
心にぐぐーっと入ってきた。
観終わったあとに、
自分の人生や、
毎日を考えてしまった。
一人で見る事をお勧めします。
