三姉妹母ちゃんの日記

日常の雑記ブログ。たまに映画や本の話もします。

八日目の蝉

映画、八日目の蝉を観ました。

蝉の漢字が違うんだけど、
正しい表記だとエラーになるみたい。

うーん、ヘビーだった!
紙の月から、角田光代つながり。


珍しくテレビの部屋に布団をひいて、
毛布をかぶって、ふとんシネマ。


前半はその状態で観て、
途中はるまきが泣いて、
その寝かしつけで私も寝てしまったので、
後半は2日後に一人で観ました。


あらすじとしては、
女が子供を誘拐して、
逃亡して、って話なんだけど、
不倫相手の子供なのね。
自分は子供を妊娠したときに、
堕ろすしかなくて、
それからほどなくして、奥さんが子供を産んで、
その子供を誘拐してしまう。


4ヶ月から4歳までの間、
子供は誘拐犯を母親と思って育つ。


その子供が成人して、
また数奇な運命を辿って、、、


という感じ。




なんだか、
母親とは?
母性とは?
愛情とは?


みたいなものが、
どーん!と問われるので、
子育て真っ最中の身としては、
目眩がするほど。


映画がはじまってしばらくは、


うーん、苦しいー、重いー


と思いながら見てたけど、
途中からは物語に集中できるように。


ストーリーはよくできた話だと思う。
設定もフィクションならではだし、
登場人物も濃い。


永作博美の、幼い感じが、
不倫相手ぽかったり、
本妻に罵られそうだったり、
子供を連れていってしまったり、
行き当たりばったりなんだけど、
どうにか環境に溶け込んだり、
という、
薄氷を歩く感じと上手くマッチしてた。


冒頭でアップになるシーンで、
「アップに耐えられる女優やな、、、」
とつぶやくと、
「そうやなぁ」
と、旦さんも激しく同意。




主人公の井上真央は、
欲をいえば、品がありすぎたかな。
もっとギスギストゲトゲした人、
池脇千鶴あたり?でもよかったかなー。
芯の強さを永作から引き継いでるってとこを、
アピールしたかったのかもしれないけど。


あと、小池栄子
なんとなくキーパーソン的存在。
美人じゃないってのと、
身体がエロい、(でも男性恐怖症)
ってのが、
役として大きな意味があるなー。
そこはあまり大きく取り上げられないけど、
フォーカスされないからこそ、
ちょっとした一言とか、
セリフひとつで、見る人に解らせることが
多くあった役だったと。


田中哲司さん。
旦「これ、誰?」
私「仲間由紀恵の旦那さん」




劇団ひとり
井上真央とラブシーンがあって、
私「これも女優さんの仕事なんやもん」




田中泯さん。
写真館の人。
1番印象に残って、思わず調べてしまった人。


余貴美子さん。
通称、エンゼルさん。
内容を観ないとわからないと思いますが、
何故か我が家でこのエンゼルさんが流行り、
はるまきのことを


エンゼルさん、


と、呼んでいます。
関西弁の新興宗教って、生々しいな。。。






あとは、舞台が小豆島のシーンが多くて、
島の綺麗さが素晴らしかった。
で、ここからはなんか辛口になりますが、
美しいからこそ、ステレオタイプというか、
決まった通りの構図でつまらなかった印象。


船と海と小島、っていう場面も、
画面斜め上の、ここ!ってわかりやすい場所に小島があって。
あぁ、うん、ここだよなぁ、、、みたいな。
中学の美術の教科書みたいな感じ。


あとは永作と井上真央が離れ離れになる、
最大のクライマックスも、
ちょっと上から俯瞰で離れていく様子が
わかるようになってて、
ここもなんだか泣かせるぞー!って狙われてて、
なんだか冷静になってしまった。


リアルなシーンは手持ちカメラなんだけど、
それも酔いそうになっちゃうし。


あとは、子供を自転車に乗せて、
坂道を、下るところで、
わーっと叫びながら、脚をパーに広げて
自転車に乗る、あるあるなシーンなんだけど、
子供乗せた自転車で、その乗り方はできない!危ない!
と、本気で心配になったり。
まぁ、井上真央が楽しそうに自転車で
坂を下るシーンがあるので、
そことリンクしてる、というのは、
わかるんだけど、


なんだか全体通して、
当たり前すぎて、うぅーーーん、と、
冷静になってしまうことが多かった。
あまりにドップリハマってしまうと、
精神的に辛いから、
そこまで、見越しての演出なのかな??




紙の月の潔いまでの欲とは違って、
誰が悪いでは、片付けられない物語で、
なかなか難しかったー。




両方とも、小説を読んで、
もう一度自分の世界で組み立ててみたい。




そういう意味で、
いいフィクションでした。



星は☆☆☆
三つ。




しばらくは邦画はいいかな。