三姉妹母ちゃんの日記

日常の雑記ブログ。たまに映画や本の話もします。

愛を読むひと



こないだ見た映画というのは
愛を読むひと

レディースデーに行ったら、
けっこう人いっぱいで、後ろの席半分くらい。
そして、マダム率高し。

予告とか、あらすじ読むと、
少年と年上女性の官能映画??という感じがなくもなかったけど、
実は重くて深い、いい映画でした。

15歳の少年が年上の女性と出逢って、
恋に落ちるあたりなんかは、
すごく「卒業」と似ていて、
(パンスト履くシーンなんかはきっとオマージュだと思う)
浮いて沈んで溺れて落ちて、みたいな愛のカタチがあるんだけど、

物語の後半から話が一気に重くなってきて。


ここからはちょっとネタバレです。

女性が過去に犯罪を犯した罪に問われていて、
少年(この時点でもう青年くらいになっている)は、
彼女の秘密を知っていて、それは無罪を主張する鍵になるかもしれないんだけど、
彼は言えず、彼女は刑務所へと入れられることになる。

そして、さらに月日が流れ、
彼女と彼はまたつながっていく。

犯罪が絡むものの、
「誰が悪い」といった類いの罪でないので、
ただただ運命を受け入れるしかない、2人。

私が印象的だったのは、
そんな重い運命を突きつけられた人たちにも、
当然のように生活はあるんだな、ということ。

犯罪に巻き込まれたり、加担したり、
深く傷ついたりしても、

朝食を食べて、体を洗って、大切なものを箱にしまったりする。

その「抱えるものの重み」と、「続いていく生活」にすごくフォーカスした映画だなという印象。

とにかくこの少年(映画の最後には中年になっている)の、
所作の美しさったら、ない。

映画のオープニングが、朝食を作るシーンなのですが、
ゆで卵を置く仕草一つとっても美しい。
好きな男性の仕草って、例えばそれがタバコに火をつけるだけの動作でも、
愛しく思えたりしますが、
所作の美しさって、本当に重要だなーと思いました。


マスカラを指に挟みながらコーヒーを飲む自分に反省

あと、タイトルにある通り、朗読という作業もいいな、と思いました。
恋をしている者同士が、お互いを見てるだけじゃなく、
同じ方向を見るのって、やはり大事です。

重くもいろいろ考えさせられた映画。
おなかいっぱい。